利用規約に同意してもらうには?

ここでは利用者に利用規約に同意してもらう方法について説明していきたいと思います。

電子商取引及び情報材取引等に関する準則での考え方

利用規約への同意方法については、電子商取引及び情報財取引等に関する準則では、

ところで、インターネットを利用した電子商取引は今日では広く普及しており、ウェブサイトにサイト利用規約を掲載し、これに基づき取引の申込みを行わせる取引の仕組みは、少なくともインターネット利用者の間では相当程度認識が広まっていると考えられる。したがって、取引の申込みにあたりサイト利用規約への同意クリックが要求されている場合は勿論、例えば取引の申込み画面(例えば購入ボタンが表示される画面)にわかりやすくサイト利用規約へのリンクを設置するなど、当該取引がサイト利用規約に従い行われることを明瞭に告知しかつサイト利用規約を容易にアクセスできるように開示している場合には、必ずしもサイト利用規約への同意クリックを要求する仕組みまでなくても、購入ボタンのクリック等により取引の申込みが行われることをもって、サイト利用規約の条件に従って取引を行う意思を認めることができる。

電子商取引及び情報財取引等に関する準則

と記載されています。

同意のさせ方のハードルが下がった?

上記を要約すると、以下のことがいえるかと思います。

  • 購入申込や会員登録画面に「わかりやすく」利用規約がリンクされていることが重要。
  • 上記ができていれば必ずしも申し込み用のボタンに「利用規約に同意して申し込む。」などの文言が記載されていなくてもよい。

「わかりやすく」は「フォント色やサイズ、装飾などを目立たせるように工夫する。」ということになると考えられます。

逆に(文字色を背景色に近づけたり、サイズを小さくするなど。)意図的に隠すようなことはしてはなりません。

「わかりやすく利用規約にリンクしてあれば、同意のチェックボックスもボタンの工夫も必要ない。」であればなんか一気にハードル下がったように感じませんか?

他の法律や商慣習からの要求

ただ、法令や商慣習の観点からみると、上記を鵜吞みにするのはお勧めできません。まずは、特定商取引法の規制からみてみたいと思います。

消費者向けのネットショップや有償提供されるBtoCサービスでは特定商取引法の適用を受けます。

通常の通信販売の形態に該当する場合には、注文確定までのプロセスやボタン、画面遷移などについても規制があります。ので注意が必要です。
(その際に注文内容やキャンセル条件などの表示が義務付けられています。ただ、利用規約への同意については「特定商取引法上では」規制の対象ではありません。)

ネットショップの利用規約の特徴

有料会員制サービスの利用規約の特徴

また、BtoBのサービスでは、両社記名(押印は簡略化されるケースが増えましたが。)で成立する契約もまだ多いのが実情です。そんな中でビジネスの機会に「同意へのチェック」すら要求しないサービスを敬遠する事業者も少なくないかと思います。

なので、BtoBサービスのお客様にはきちんと利用規約を提示して同意を促すギミックにすることをお勧めしています。

また、すべてのサービスにおいて、「そんな条件に同意した覚えはない。」などとクレームを受ける場合も考えられます。クレーム処理の観点からも利用規約に明示の同意をもらうようお勧めしています。

推奨する利用規約への同意のさせ方

上記のようにBtoCのサービスでもBtoBのサービスでも、利用規約に同意させるためにその提示方法やボタンの表示などが重要であると私は考えています。

そこでいくつかお勧めの利用規約への同意のさせ方について、画像を用いて説明したいと思います。

  • 全文表示→最下部の同意ボタンにチェック

一つ目は、利用規約全文をサイト上に表示し、その最下部に設置した同意ボタンのチェックボックスにチェックをしたうえで申し込みをさせる方法です。

長文の利用規約をインラインフレームなどで表示する場合、そのスクロール先の最下部にチェックボックスを設置します。

利用規約への同意方法
利用規約への同意方法2

これが利用規約への同意のさせ方で最も強力と考えられる方法になります。

利用規約全文の一番下に同意ボタンがあるため、必然的に「最後まで読んだ」形にしてしまいます。

ただ、インラインフレーム内のチェックボックスへの入力を必須にするなど、設置の難易度も高めになると考えられます。

よって、保険の申し込みなど、利用者に契約条件の熟読や理解を法律などで義務付けられているサービスや、高額商品の購入などに限られる設置方法になるのかもしれません。

現在はわざわざ別ページを準備しなくてもCSSでインラインフレーム風のレイアウトも簡単にできるようになったようです。そのため、さほど設置の難易度も高くはないようです。

  • 全文表示→申込ボタン前の同意ボタンにチェック

1とほとんど変わりありませんが、インラインフレームで利用規約全文を表示する場合で、インラインフレームの外に設置したチェックボックスにチェックを入れて申込ボタンを押してもらう手法です。

利用規約への同意方法3

この方法がセカンドベストともいえる方式です。インラインフレームなどで利用規約全文を表示するところまでは1と同様です。

が、インラインフレーム外に設置された同意のチェックボックスにチェックをさせて申し込みをしてもらう形になります。

1と比べても格段に設置の難易度が下がるので私が最も推奨している同意のさせ方になります。

当事務所のテンプレート販売のお支払い画面でも(利用規約の提示ではありませんが。)この方法で特定商取引法の法定表示を掲載しています。

  • 申込ボタン前に利用規約へのリンク→同意ボタンにチェック

別ページで利用規約のページを作成し、取引ページの申し込み画面で利用規約へのリンクをしたうえでチェックボックスにて利用規約への同意をさせる方法です。

利用規約への同意方法4

この方法もお勧めの方法です。

申し込みボタンの直前に利用規約へのリンクを設置します。そこに同意を促すチェックボックスを設けて申し込みをさせる方法です。

この方式は簡単に設置できるのがメリットです。多くのサイトなどで導入している方法のように思います。

  • 申込ボタン前に利用規約へのリンク→「同意して申し込む」のボタンで申し込み完了

別ページで利用規約のページを作成し、取引ページの申し込み画面で利用規約へのリンクをしたうえで「利用規約に同意して申し込む。(購入する。)」などの文言のボタンで同意を得る方法です。

利用規約への同意方法5

チェックボックスを使わずにボタンで「利用規約への同意」を取得する手法になります。

一昔前までの自由度の低い申し込みフォームや買い物かごシステムでは利用規約への同意のチェックボックスを導入するのが困難でした。

これはそのような時代の「苦肉の策」ともいえる同意の取得方法です。

最近では多くのシステムで同意を促すような仕組みを導入できるようになっています。

そんな中、2か3の仕組みがあるのにこの方式をとるメリットはあまりないと思います。2か3をどうしても設置できない場合の措置であると言わざるを得ません。

  • 民法第548条の2の二で定める方法

最後に民法第548条の2の二(定型約款)で定める「利用規約を契約内容とすることを運営者がサイト上に表示している。」に該当する方式で申し込み画面を作ってみました。

利用規約への同意方法6

画像のような設置方法だと2~4の方法で明示の同意を得たほうがいいと思います。

ただ、この「利用規約を契約内容とする。」旨の表示は、サイト上のわかりやすい箇所であればどこでも構わないようです。

当サイトのようにヘッダーやフッターで表示するのがデザイン性を損なう可能性も低いのではないかと思います。

できれば明示の同意をしてもらう

以上のように利用規約への同意のさせ方には様々な方法があります。

私は2と3のようにチェックボックスで利用者に同意のチェックを入れさせる手法が最も「同意した。」という意思表示を積極的に表現してもらうのに適した方法だと思っています。

ただ、利用者のクリック数をより少なくするためにチェックボックスにあらかじめチェックを入れておく(checkedにしておく。)手法が以前はよく見られました。これは利用者が積極的に同意する意思表示をしたとは言い難くお勧めできません。

「どの利用規約に同意してもらったか」が最も大切

ここまで利用規約に同意してもらう方法について説明してきました。ですが、一つ肝心なことが残っています。

それは対象となる利用者に適切な利用規約に同意してもらうことです。

 

下の画像は当サイトの利用規約テンプレート販売の決済ページの画像(開発中)になります。当サイトには2種類の利用規約が存在しています。

ウェブサイト利用規約とデジタル商品販売規約の2つです。

これは後述しますが利用者を「当サイトの閲覧者」と「テンプレートの購入者」に分類してそれぞれに見合った利用規約を提示して同意してもらう必要があるためです。

デジタル商品販売規約にはテンプレートの著作権所在や利用条件、禁止事項など、キャンセルポリシーなどを定めています。

他方、ウェブサイト利用規約には当サイトのコンテンツの無断転載禁止や保証の否認条項などの一般的なウェブサイト利用規約の条件が記載されています。

当然のことながら利用規約テンプレートの決済画面には「デジタル商品販売規約」をリンクしてチェックボックスで同意をもらう形になっています。

たとえばネットショップの決済画面で情報転載禁止などを規定したウェブサイト利用規約に同意してもらってもあまり意味がありません。

このようにせっかく同意をしてもらうためのギミックをしっかり作っても「何に同意してもらうのか」が最も重要なのです。

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